カテゴリー「沢登り」の6件の記事

2008年10月21日 (火)

越後の沢

P1020558 前々から気になっていた越後三山/水無川流域デトノオオナデ沢(名前が素敵だ)を登った。
短い水平距離1000mに対して600m高度を稼ぐので、沢登りというより壁登りだ。
4段120m滝と詰めの高度差300mの草付きスラブという二つの要素で構成されている。
核心は大滝3段目。他の段は快適なクライミングなのに、この段だけヌル苔で凄くいやらしい。
ランニングは浅打ちハーケンと束ねた草だけなので落ちたら止まらないであろう。
けれど草付きスラブは広く高度感もあり本当に爽快であった。
下山の鉱山道尾根はスラブ途中から右側へトラバースしたら見つけられた。ブッシュ藪漕ぎの急下降。
稜線までスラブを詰めていたら完全に日没藪漕ぎ下山になっていただろう。
今までこの沢の名前を出して誘っても行きたいというメンバーは皆無だった。
今年になって一ノ倉など同行してくれるパートナーに話をしたら即決であった。
ようやく志向も見合った技量も合うパートナーに出会えて叶った。多謝。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年8月24日 (日)

山の警告

8/20同角F1(10m)落ち口から滑落した。幸い花崗岩の70度程度の滝であったこと、狭いながらも釜が深かったことで大きな怪我は免れたが、3年前グランドしたときに負った左足かかと部裏に若干の内出血が認められた。ほかは左上腕裏側(脇側)の擦り傷20cm、左足下部外側の打身、左腰に痛み(腰につけていたカラビナが当たった)、なぜか右肩裏側がひどい寝違い状態と同じ痛み、といったところ。歩けることは歩けるが、またしばらくハードはことは厳しい状況だ。とても落ちるようなところではない。しかし現実落ちた。
同角F1は花崗岩滝で下からランニングは確認できず、直登もできそうであったが、過去この手の滝で痛い目を見ていることもあって、左壁のトラロープが垂れ下がったハングしている脆い壁を登った。登り切り、F1上の川床に向かい2mトラバースした所で立ち木にビレイし、フォローを確保した。ロープをまとめ、一見容易に沢床に降りられる踏み跡をクライムダウン。「落ち口がすぐだから注意しよう」と思いながら、20cmほどの岩に左足を置いた瞬間、そいつが見事に崩れた(と思う)。手がかりは短い笹だけであったので、そのまま沢床に1mほど落ち、「やば!」と思い止める手がかりを探すがツルッとした岩質でスルスル滑り出し、滝の流芯へ。最後の3mは足から空中ダイブしドボーン。浮かび上がるまで自分としては時間が長く感じた。釜から上がり負傷部位を確認。左足に鈍痛があるが歩ける。以前骨折したときほどのダメージはないが、こういうときは後から徐々に出てくるので休憩。やはり左足か。遡行を中止し、少しびっこ気味に玄倉林道を下山した。同行者が探してくれた杖は助かった。
今回はまた色々と教訓だ。やはり容易と思われても、滝の落ち口に下降する場合は、スタンスや手がかりのチェックと、スリング等でワンポイントでも確保すること。最近は再び慣れをいいことにおろそかになっていた。それから、過去沢で怪我をしたときの共通項として「何か今日はバランスが悪いな」と感じたことだ。何か肉体面や精神面で変調を来たしているサインなのだ。そのようなときの対応をセルフコントロールすべきであろう。しかし逆にF1でよかった。山神様の警告であったと捉え、自然の領域に踏み込ませてもらっていることに対する感謝の気持ちをもっと持ちたいものだ。Sany0040

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月 7日 (月)

イイハシの大滝登攀

8/4表丹沢の寄沢本流へ行って来た。
本流遡行というより時間の関係でイイハシの大滝の登攀に終始した感じ。
まぁそれだけでも結構楽しめたのでよしとしよう。

(以下記録)
寄沢大橋を渡った駐車場に車を置き、表丹沢の中でも比較的自然を残す
みんなの森を快適に歩き出す。
すぐあるトイレの周りにはたくさんの「ナナフシ」と「クワガタ」がお昼寝。
ナナフシなんて見たのは子供の頃の虫取り時代以来だな。
ムシキングにはまっている子供たちには天国みたいな所だろうね。

雨山峠方面への登山道は途中河原に入ると少々わかりづらい。
何となく赤テープや赤札、石に書かれたペンキがあるのだが
途中堰堤を適当な所から越したりして
入渓点である二俣を目指す。
登山道が右手尾根に離れるすぐ先の二俣は左から入ってくる
右に比べると樹林の中のせいか少し暗い方が本流だ。
すぐ先にF1とおぼしき「くの字滝」が見えている。
ここで沢靴に履き替える。

10mくの字滝は言われてみれば「く」の字かなという程度。
右壁を登るが、あまり右側に行ってしまうと落石が多いし、上がりすぎてしまう。
半分くらい登ってから左側の滝落ち口先を目指そう。
5m程度の小滝をフリーで越せば
早くもメインディッシュである「イイハシの大滝」が眼前に真上から落ちている。

31
3段45m。下段5mは右側をフリーで越し
中段25mは右壁、岩とブッシュのコンタクトライン。
下から確認してもリングボルトが1カ所確認できるだけで他ハーケンは見えない。
しかし登りだしてみればだいたい3m間隔で中にはまだ新しいハーケンもあった。
手にまとわりつくドロや砂を払いながら登るが
やはり湿ったⅣ級+はかなり慎重になる。
よく見れば小さいが足を置けるスタンスが適当にある。
半分くらい登ると逆層で少し被った岩に進路を塞がれる。
岩の上部にもハーケンがあるので、ここを乗越したルートもあるようだがこれは難しい。
左流芯へトラバースをするが、ここはスラブっぽく足がないので
ブッシュを束ねた古い残置スリングを持ち、そぉっとバランスでA0気味に左へ。
岩の上にある狭いバンドを一旦右側へトラバースし
寝てはいるがあまり手のなさそうなスラブっぽい斜面を最後に登れば
上段滝の釜渕でもあるリッジ状でピッチを切れる。
ハーケン数枚打たれていたが、確保支点にしたい位置のハーケンは少々腐り気味だった
ので、追加で1枚バカブーを打ち足して中段終了。
結構時間かかってしまった。

ここは2人同時に上げるのは終了点が狭く無理そうだ。
セカンドに菅ちゃんを登らせ、そのままツルベで2ピッチ目のカンテ右に
リードしてもらう。
10mほど登った適当な所でセルフビレイを取ってもらい
サードの杏ちゃんを引き上げる。
それから後藤が杏ちゃんビレイで上部の安定した樹林帯までリード。
脆い急斜面をブッシュ頼りに体を引き上げ、しっかりした木にFIXし
途中で抜いた菅ちゃんがフリクションノットで登る。
そして最後の杏ちゃんをビレイで登らせ、イイハシの大滝上段上に出た。
中段終了点の不安定さを考えると、この滝はせいぜい3人パーティくらいまでだろう。
大勢の遡行(というか登攀)は無理である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 6日 (土)

GW

GWは沢2本。前半の小常木谷は置草履の悪場通過がなかなかおもしろくよいトレーニングになりましたけど、岩岳沢左俣の後半部藪漕ぎは久し振りに充実した体力酷使だったなぁ。だって一日で体重が3kg落ちたんですよ。(今は元に戻ったけど)
後半は東沢の金山沢を遡行して信州沢を下降予定だったけれど、ペースが上がらず、結局金山沢と信州沢出合でビバーク。戻るだけじゃおもしろくないので、東ノナメ沢2段目下部までスラブクライミングでちょっと遊びました。ここは8年前にフェルトで登ってしまったため偉い苦労した思いがありましたが、今年絶対もう一度行こう!と心に決めて帰ってきました。
5日は元会社上司や同僚と橋本のロテンガーデン(日帰り風呂センター)でひねもす同窓会?橋本も街から少し離れると野山がまだ残っているんですねぇ。あ、歯医者の予約ブッチしちまった・・・。

04 11

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年7月13日 (水)

残置回収時の大棚沢

6/8古屋さんと平さんが、僕の事故った大棚沢を登り、わざわざ一度懸垂で降りて、僕の残してきたオレンジ色のアルパインスリングを回収してきてくれた。その時の写真。右側の草付上部に残置スリングが見える。たしか記憶だとそのスリング上部3mくらいから落ちたのだから、実は結構な距離を落ちているのがわかる。怖い怖い。でも性懲りもなく完治したら登ろうと思う。歯が立たないような滝ではないし、この壁を登らないと次に進めない・・・なんてドラマのセリフみたいかなぁ。

最近また会の中で山行管理がどうのこうのと言われている。連盟上部も同じだが、理想は理想。現状多くの会員が息苦しさを感じているのだから、今まで表面上は固いこと言ってもファジーに対応してきたし、自分も様々な人たちと交流していく中で次第に変化してきている。人を規制管理してはいけないと思う。性善説か性悪説かだったら、たとえ多少の裏切りはあっても僕は性善説。ある程度山を経験してきた人に対しては上下関係ではなく、同じポジションにいる関係で対応していくことがよい人間関係を築けるのだろう。よこしまな考えを持っていない真面目に山を考えている人たちを信頼しているし応援したい。それが本来の山行管理だと思う。もちろんノウハウを知らない初心者には指導の必要もあろうけど。経験者だってエクストリーム志向でなければ、ほとんどの人たちは命は大事と考えて行動している。人は信頼して認めてあげなければ、こちらも信頼されないはずだ。同じポジションと認め尊重し合った者同士の登山では(特に総合力を発揮できる沢登りでは)、僕は時々昔やっていたギターアドリブセッションでもやっているように、絶妙に波長が合い、プレイするお互いが楽器で会話をするような、あの陶酔感に浸れる感覚を覚える。それぞれのメンバーが得意とする分野を自然と任せ、困難なルートをコンプリートした感激は、信頼し信頼されてこそ味わえる。それがパーティであり山岳会と思う今日この頃。

遊びのルールは最低限でよい。20050608ootanasawa 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年6月 5日 (日)

大棚沢でグランドフォール

5/21(土)13:00頃、丹沢の本谷川支流大棚沢の33m大滝で登り直しを図ったクライミダウン中、自分で打ったハーケンが抜け5m以上グランドフォールしてしまった。左足踵骨折のため荷重がかけられず、それでも残った三本の手足で必死に下山した。  右岸の尾根を尻セード気味に引力と気の根を頼りに下り                    林道に至っては、右足けんけんと膝を使った四つん這い歩行で、車が置いてある塩水橋に戻ったのが翌日未明2:30。仲間が駆けつけてくれて一旦家に戻り、少し仮眠して関東労災病院救急へ。敢えなくそのまま入院となってしまった。2ヶ月に2回も入院するなんて何てお馬鹿なんだろう。

自力下山か、救助要請をすべきだったか、たぶん当事者以外の人たちの意見は別れるかもしれない。僕だって無理や無謀をプライドや自己責任で消し去るほど星飛雄馬じゃない。自分でできるか否かの判断を自身に問いかけた結果である。同行のみやなおには迷惑かけたが、よい意味彼女にもこんな経験も必要かもしれない。もし逆の立場なら僕は何をしていたであろうか、下山連絡を期待していた下界の会員は今頃どう思い、どう行動するであろうか、一歩一歩牛歩のように四つん這い状態で、ヘッデンに写し出される路面の虫たちを眺めながら、五十歩進んでは肩で息を切らしながら、そんなことを考えていた。15ootaki

| | コメント (1) | トラックバック (0)